モラルハラスメントは、その行為が繰り返される継続性ゆえに、その被害者の人格や尊厳を傷つけ、時によっては、その精神を破壊してしまうほどのインパクトがある行為です。

しかしながら、一見些細な行為の積み重ねであるため、周囲にその深刻さを理解されることが難しく、逆に、「そんなことで参ってしまうとは根性がない!」「いちいち気にするほうがおかしい」など、むしろその本人の弱さや性格の問題として捉えられてしまうこともままあります。

そうした中で、被害者はどのように影響を受けるのでしょうか。

被害者の心身への影響

  • 「その人が近くに来るだけで、心臓がドキドキしたり、手が震えたりする」
  • 「その日にあったことを思い出し、なかなか眠れず、夜中にも目が覚める」
  • 「簡単な事務処理でも頭が働かなくなる時があり、仕事のミスが増えた」
  • 「彼と話すといつも気持ちが重苦しく、気がついたら、もう何ヶ月も笑っていない」
  • 「いつも体が疲れきっており、なにをするのも億劫」

モラルハラスメントの被害者の多くは、そのストレスによって心身のバランスをくずし、その初期には、「心臓がドキドキする」「体が震える」等の身体の生理反応を自覚されます。

次の段階では、胃痛・不眠・吐き気・生理不順など、心身症ともいえる身体疾患の症状が現れ、体調を崩しての欠勤も目立つようになります。この段階で内科を受診される方も多いと思われますが、ストレスに起因するこれらの症状は、気合や薬だけでは十分に改善することは困難です。

これらの体からの警告を無視し、原因であるストレスへの対処をしないまま、内科で処方された薬だけを飲み、ひたすら我慢を続けていると、いよいよ最後の段階として、「うつ」や「神経症」、「パニック障害」など、様々なメンタル疾患になりかねません。仕事の遂行に支障をきたすようになった場合には、休職や退職を選択せざるを得ない場合もあります。

長期にわたるモラルハラスメントのストレスによって、多くの被害者が、徐々に、心身のバランスを崩し、「不眠症」「胃痛」「生理不順」「過食」「食欲不振」「精力減退」「円形脱毛症」などの心身症、そして、「うつ病」や「神経症」どのメンタル疾患を経験しているということです。その結果として、休職や退職に追い込まれてしまっているのです。

大切なのは、体からのサインがあった早い段階で、カウンセリングを受けたり、精神科・心療内科など、メンタル専門機関へ相談したりすることです。過剰なストレスへの反応が起きている状態を改善するには、いかにそのストレスを軽減していくかがポイントとなります。

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>> 退職後トラウマにならないために

 

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  1. モラルハラスメントとは
  2. モラルハラスメントの言動の例
  3. モラルハラスメントの影響
  4. モラルハラスメントでないもの
  5. 「無礼の連鎖」のケース