医師や看護師の離職や休職を予防し、皆が成長できる病棟づくりのために

市立砺波総合病院での講演例

講演の依頼を頂いた市立砺波総合病院の小杉院長(当時)のお話では、これまで実際に、モラルハラスメントが原因と思われる医療サービスの質の低下や、職員のメンタルヘルスの悪化があったそうです。

700名のスタッフを抱える大病院です。あって当たり前かもしれません。前述のとおり、病院はハラスメントの温床なのです。

実は、私はこのときまで、病院から、講演や研修の相談を受けたことは、1回もありませんでした。医療機関のスタッフ(特に看護師)の離職率が高いこと、メンタル疾患の罹患率が高いことは、明らかであるのに、技術的なこと以外で、スタッフ教育を推進する医療機関は少ないそうです。

当時医療機関のシステムに詳しい知人が、病院でスタッフ研修が進んでいないのは、医局中心の医療展開という構造から、積極的に医師以外のスタッフの人材育成をするということに、イニシアチブを取れないような構造になっているから、と話していました。

どこまで正しいのかはわかりませんが、今回、砺波総合病院では、小杉院長のイニシアチブのもと、職場のハラスメントについて考えるシンポジウムが開催され、平日夕方からの自由参加形式でありながら、120名以上が参加する、盛況なものとなりました。

ハラスメント問題は根深く、これでハラスメントが完全になくなるわけではありません。しかし、職員にとっては、病院幹部が真剣にこの問題に取り組んでいることを知り、大いに勇気付けられたのではないでしょうか?

ハラスメントの被害者は、孤立すればするほど、その心的被害は深刻になります。病院全体で、この問題に取り組んでいる、そして、この微妙な問題を理解してくれている人間がまわりにもたくさんいる、ということが伝われば、被害を受けている人も、安心してまわりに相談できるようになります。

これが大切なのです!

シンポジウムでは、私が下記のタイトルと内容で60分の講演をしたあと、精神科医、師長、院長、弁護士が続いて発表し、最後にパネルディスカッションを行いました。全部で140分程度でした。

『 医療の質を低下させる職場のハラスメント 』

  • 職場のハラスメントとは?
  • 病院はハラスメントの温床!
  • ハラスメントの分類、事例、事例紹介
  • ハラスメント加害者のタイプ
  • ハラスメントの増加要因
  • 代償と被害者心理
  • 職場ハラスメントの予防策
  • 被害者へのメッセージ
 

今回の講演は、『ハラスメントに負けない』 という院内シンポジウムの一環として行われたものですが、砺波総合病院のスタッフにとって、そんな良い機会になったはずです。