医師や看護師の離職や休職を予防し、皆が成長できる病棟づくりのために

管理者(部長・師長向け)ケーススタディーの例

主に師長向け研修で使用するケーススタディーの例ををひとつ掲載します。

<設問>
次の当事者の報告から、あなたは管理者として、どのような対処をすべきなのか、グループで考えてください。

<新人Sの声>

病棟で実地指導者であるYさんとの関係で悩んでいます。私は、30半ばで看護師の資格を取得した新人看護師です。Yさんは、経験15年を超えるベテランの40代の看護主任で、仕事はとてもできる人です。最初は、同じ質問をしたことなどで叱られながらも、時には雑談をすることもありました。しかし、半年を経過した頃から、仕事のミスを厳しく指摘されたり、叱責されたりするようになりました。その口調があまりにきついので、最近では、Yさんに声をかけられるだけで、緊張してしまい、頭が働きません。いつでも「今日は何を指摘されるのだろうか?」と考えてしまうようになり、出勤するのがとても辛いです。涙が止まらなくなる時があります。

<実地指導者Yの声>

新人Sは同じことを何度説明しても、間違えるし、課題を与えてもやってこない。最初の頃は、まだ我慢できていたが、いつまでたっても、基本の処置すらまともにできない。わからないことがあれば、いつでも質問するようにと言っているのに、質問してくることはほとんどない。それなのに、こちらから尋ねると、何も答えることができない。やる気も感じられず、正直、とてもイライラしてしまう。実際、どうすれば、Sが主体的に学び始め、仕事ができるようになるのかわからない。Sには、自分の指導が通じない。Sは看護師には向いていない。

非常にありがちなケースですが、 あなたはこれまで、こんな状況になったときに、どのように当事者に働きかけていましたか?

被害スタッフに対して、「もう少し我慢してみない」とか、「仕事のミスを指摘されないように、しっかりしなさい」とか、「しっかりと自分の意見を伝えてみなさい」とか、言っていませんでしたか?

加害スタッフに対して、「どうしてそんなに厳しくするの?」とか、「それはパワハラよ」とか、言っていませんでしたか?

研修の前半で解説する「モラル・ハラスメントの本質」、その中でも「ハラスメント加害者のタイプ」「被害者は我慢が足りないのか?」をしっかり理解すると、この状況への、正しい効果的な介入策が導き出せるようになります。